3月15日にオープンしました、CHIPPRUSON 実店舗ですが、翌日16日の土曜日から、臨時休業を頂いております。

オープン直後の今週末、ご来店予定にして下さっていただろうお客様、そして、オープンまでの道のりを支えて下さった関係者の方々へ、こういう選択に至りましたこと、心よりお詫び申し上げます。

休業の理由についてですが、製造作業での練習不足が露呈してしまい、お客様に提供させて頂ける状態の生地を作れていないと判断した為に、このような選択を取らせて頂くことに致しました。しばらくの間、お店の営業をお休みさせて頂き、しっかりとクオリティのあるパンに仕上げてから、もう一度オープンさせて頂こうと思っております。

プレオープン、オープンの日に、お買い上げ頂いた方々から、ご予約を頂いたり、またお店にご来店頂いたり、たくさんの「美味しい」をお伝えいただいたこと、本当に嬉しく思っており、感謝の気持ちで一杯です。

ただ、私自身としましては、もう少しだけお時間を頂くことが出来たのならば、もっと美味しいパンを焼くことが出来ると思っているので、お店の要である製造業に、今のように納得出来ていないと思うものを、間に合わせとして焼き続けるという状態で、今後、長きに渡り、パン作りと向き合っていけるとは思えませんでした。

製パン業に携わった経験はありません。だからこそ、機材に慣れる為にも、大量に焼くことに慣れる為にも、しっかりと練習する時間を取る予定でいたのですが、何もかもが追い込み状態のまま、オープンの日を迎えてしまいました。オープンに漕ぎつけたこと自体、奇跡と言っていいくらい、準備全てが遅れていたことが事実です。

Shop CardやDMを作成し、広告として各店舗に置いて頂き、たくさんのお祝いのお花を贈っていただいた、名もなきパン屋の開店ですが、二日間の営業時間、お客様とお話出来たり、スタッフ共々、とても楽しく過ごさせて頂きました。だからこそ、この選択を選んだ昨日、悔しさと申し訳なさで涙が止まりませんでした。

私のパン作りは、とにかく時間がかかります。作業工程を考え抜かないと、この製法ではお店は成り立たないだろう、と予測していたのですが、結局、色々考えきれないままのスタートを切ってしまい、修正しきれない問題が山積みの今、一度、工程内容やレシピを洗い出す意味でも、どうしても必要な時間だと考えております。

ただ、手間や時間がかかるからと、やるべき作業を省いていったり、焦る想いで作り続けていたのなら、私はきっと、小さな生きものの声が聞こえなくなってしまうのだろうと思うのです。

どこまでも、酵母に合わせて作りたい。美味しいパンを焼く為に、自分がやれることは全て、やってあげたい。それはもう、ずっと昔に誓った想いであり、そこを崩してしまうと、このお店をやる意味も、私自身がパンをつくる意味も、見失ってしまうのだろうと感じるのです。

我侭な店主の一存で、多方面へとご迷惑をお掛けしてしまい、本当に申し訳なく思っております。皆さまの想いや期待に応えきれなかった悔しさをバネに代えて、最短期間で営業開始出来る状態へ戻ってこようと思っております。尚、再スタートのお知らせに関しましては、準備時間に目途がつき次第、こちらのblog、twitter、Instagram、facebookページにてお知らせさせて頂きたいと考えております。桜が咲く頃までに、皆さまにお会い出来ますよう、店主、スタッフ共々、頑張って参ります。

何卒、ご理解頂けますよう、よろしくお願い致します。

CHIPPRUSON.  chie.